冠婚葬祭マナー
結婚祝い
結婚式を挙げた日、あるいは入籍した日は、ふたりにとっては忘れがたい大切な一日のはずです。結婚した当時の気持ちを思い出し、日頃の感謝を伝える日としてお祝いすることで、ふたりの絆はより深まることでしょう。
結婚祝いの由来
結婚祝いは、もともと結婚1周年から75周年の毎年の結婚記念日にお祝いをする欧米の習慣で、夫婦がお互いに贈りものをする日でした。日本では、1894年(明治27年)3月9日に明治天皇と昭憲皇太后がヨーロッパの習慣を取り入れて銀婚式「大婚25周年祝典」を行ったことが始まりとされています。
ご祝儀袋
ご祝儀を入れる袋には、水引が"一度きり"の意味を持つ「結びきり」のご祝儀袋を使用します。「結びきり」とは、一度結んだらほどけない結び方。蝶結びは、「何度も繰り返されてほしい」という意味があるので、婚礼での使用はタブーとされています。
表書きは毛筆、筆ペン、サインペンを使用して濃い墨で丁寧に楷書体で書きます。ボールペンや万年筆、薄い墨は仏事の書き方となり失礼にあたります。また、表書きは、「寿」「御結婚御祝」「御祝」とします。贈り主の名前は、水引の下に表書きよりやや小さめに書きます。
個人で贈る | 中央にフルネーム(姓と名)で書きます。 |
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夫婦で贈る | 中央に姓を、その下、右側に夫、左側に妻の名前を書きます。 |
連名で贈る | 右から左へ、目上の方から記入します。 |
社名・団体名を記入する | 中央に贈り主の名前を書き、名前の右に少し小さめの字で社名・団体名を記入します。 |
※お祝い金の注意点
昔は、偶数は割り切れてしまうため、縁起が悪いとされてきました。 しかし、最近は「2」=「夫婦」「ペア」と考えられるようになり、2万円を包む方も見かけるようになってきました。 ただし、縁起を担ぎ、偶数を気にされる新郎新婦もいらっしゃいますので、2万円を包む場合は、1万円札と5千円札2枚の計3枚を用意し、奇数にして包むとよいでしょう。
お祝い金の目安
結婚のお祝い金は、本来は1週間前までに相手に直接手渡すものですが、最近はご祝儀袋に入れたものを披露宴当日に受付に預けるのが一般的です。お祝いの金額は新郎新婦とのおつきあいの深さや、血縁の深さなどによって決めてください。
贈る相手 | 20代 | 30代 | 40代 |
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友人・知人 | 2~3万円 | 3~5万円 | 3~5万円 |
兄弟・姉妹 | 2~3万円 | 3~5万円 | 5~10万円 |
いとこ | 2~3万円 | 3~5万円 | 5~10万円 |
甥・姪 | ― | 3~5万円 | 5~10万円 |
職場の上司 | 3~5万円 | 3~5万円 | 5万円〜 |
職場の同僚 | 2~3万円 | 3万円 | 3万円 |
職場の部下 | 2~3万円 | 2~3万円 | 3万円 |
結婚祝いの名称
結婚記念日の名称は、年によってさまざま。
年数が浅いうちは柔らかく日常的なものから、徐々に高価で硬く貴重なものへとその名を変えていきます。
1周年 | 紙婚式 |
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2周年 | 藁婚式、綿婚式 |
3周年 | 革婚式、糖果婚式 |
4周年 | 花婚式、絹婚式、皮婚式(皮革婚式)、書籍婚式 |
5周年 | 木婚式 |
6周年 | 鉄婚式 |
7周年 | 銅婚式 |
8周年 | 青銅婚式、ゴム婚式、電気器具婚式 |
9周年 | 陶器婚式 |
10周年 | アルミ婚式、錫婚式 |
11周年 | 鋼鉄婚式 |
12周年 | 絹婚式、亜麻婚式 |
13周年 | レース婚式 |
14周年 | 象牙婚式 |
15周年 | 水晶婚式 |
20周年 | 磁器婚式、陶器婚式 |
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25周年 | 銀婚式※ |
30周年 | 真珠婚式 |
35周年 | 珊瑚婚式 |
40周年 | ルビー婚式 |
45周年 | サファイア婚式 |
50周年 | 金婚式※ |
55周年 | エメラルド婚式 |
60周年 | ダイヤモンド婚式 |
70周年 | プラチナ婚式 |
※金婚式・銀婚式などの節目の年には、 盛大にお祝いをすることが多い
葬祭
金封の表書き
通夜・葬儀・49日までの法要には「薄墨」で、それ以外の法事や、僧侶・神官・神父・牧師・お世話になった方への謝礼には「濃墨」で書くことが多いようです。
●仏式
霊前には | 御霊前、御香奠、御香料 |
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霊前には(浄土真宗) | 御佛前 |
法事など | 御佛前、御香料 |
僧侶へのお礼 | 御布施、御膳料、御経料、御車代 |
●神式
霊前には | 御玉串料、御榊料 |
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神官には | 御礼、祭祀料 |
●キリスト教式(水引なし)
霊前には(共通) | 御花料 |
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霊前には(カトリック) | 御ミサ料 |
霊前には(プロテスタント) | 忌慰料 |
神父(カトリック)、牧師(プロテスタント)には | 御礼・謝礼 |
※お世話になった方(各宗派共通) | 志(水引なし) |
※香典を包むときの心得と注意点
香典には思わぬ出費となる葬儀に対して、遺族への経済的援助と、哀悼の意味合いが含まれています。昔は、香や花、供物を供しましたが、現在では代わりに現金を包むようになりました。香典袋は普通、黒か紫のふくさに包んで持参し、通夜や葬儀のときは受付に出します。通夜や葬儀に間に合わなければ、それらが済んでから持参します。
香典金額の目安
故人や遺族との親密度や社会的地位により異なりますが、隣人の場合で3,000〜5,000円、友人・知人・上司など世話になった場合で5,000〜10,000円、親戚では10,000円以上という場合が多いようです。
故人 | 金額 |
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祖父母 | 1万円 |
両親 | 10万円 |
兄弟・姉妹 | 3〜5万円 |
おじ・おば | 1万円 |
故人 | 金額 |
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その他の親類 | 1万円 |
知人・友人 | 5千円 |
隣人 | 3〜5千円 |
取引先 | 1万円 |
故人 | 金額 |
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上司 | 5千円 |
同僚 | 5千円 |
部下 | 5千円 |
同僚の家族 | 5千円 |
※群馬県など一部の地域では、香典返しを辞退する「新生活運動」が残っています。
「新生活」で香典を出す場合は、1〜3千円程度が一般的です。