家族葬とは?どこまで呼ぶべき?基本的な知識を解説

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家族葬は、家族や親族など、生前の故人と親しかった方のみで行う葬儀です。一般葬と比べると参列者の人数や葬儀の規模が異なり、ゆっくりとお別れできたり、葬儀の費用を抑えられたりと、さまざまなメリットがあります。 本記事では、家族葬と一般葬との違い、参列者の範囲、家族葬の流れをご紹介します。そのほか、家族葬が選ばれる理由や行う際の注意点もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

家族葬とは

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家族葬とは、家族や親族、親しかった方のみで行う葬儀です。密葬と呼ばれる、家族葬と同じく小規模で行う葬儀がありますが、密葬は後日、本葬を行います。家族葬は1回の葬儀で完結するため、別ものと考えておくとよいでしょう。 核家族が増えたり高齢化が進んだりするなか、遺族の負担を軽減するために葬儀費用を抑えたいと考える方が増えてきています。小規模で完結する家族葬は、都市部を中心に需要が高まっています。

家族葬について知識を身につければ、葬儀の内容の選択肢が増え、自由度も高まるでしょう。ここでは、家族葬と一般葬の違いや、家族葬の参列者の範囲についてお伝えします。

一般葬との違い

家族葬と一般葬との違いは、参列者の人数や会場の規模です。家族葬の参列者は、親族や身内などの親しかった方のみに対し、一般葬の参列者は、故人と仕事関係にあった方や、近隣にお住まいの知人・友人の方などさまざまです。 具体的な人数でいうと、家族葬は20人以内で行われることが多いですが、一般葬はそれ以上の人数になることがあります。参列者が多い分、会場のスペースも確保しなければいけないため、自然と規模が大きくなります。

また、参列者が多いと、受付で参列者全員から香典をいただいたり、焼香の順番が回ったりするのに時間がかかってしまうでしょう。葬儀を行うための時間も十分に確保しなければいけないため、参列者にとっても負担に感じる可能性があります。

参列者の範囲

家族葬の参列者の範囲は、誰を呼ぶのかによって異なってきます。必ずしも、家族や親族のみに絞らなくてはならないわけではなく、親しかった近所の方や、故人との関係性が深かった血のつながりのない方なども参列して問題ありません。 ただし、葬儀の規模によって参列者の範囲が異なります。たとえば、10人ほどの規模であれば、故人の配偶者や子ども、子どもの配偶者、両親、孫までが範囲となるでしょう。

20人ほどの規模の場合は、10人ほどの規模の参列者に加え、故人の兄弟姉妹とその配偶者までが範囲となります。30人ほどの規模なら、20人ほどの規模の参列者に加え、故人のいとこ、甥や姪までが範囲となるでしょう。

家族葬の流れ

家族葬の流れは、小規模であるとはいえ、一般葬の流れとほとんど変わりません。そのため、家族葬にしても内容が薄れるということはありません。ここでは、家族葬の流れを6つのステップに分けてご紹介します。

1.ご危篤

危篤を告げられたあと、その旨を家族や親族、親しかった方などに迅速に伝えていきましょう。スムーズに危篤の旨を伝えられるように、事前に連絡先をリスト化して用意しておくことがおすすめです。 危篤を告げられた時点で、葬儀業者に関する情報を収集しておくとよいでしょう。家族葬を行っている葬儀業者で、依頼したいと思えるところが見つかった時点で相談しておくと、焦らずに葬儀の準備を行えます。

また、故人と親しかった方でも、優先順位の問題で、葬儀に呼ばない方もいるでしょう。その方に対しては、危篤を告げられた時点では知らせずに、葬儀が終了したあとに死亡通知にてお知らせするのがマナーとなっています。詳しくは「家族葬に呼ぶ人と呼ばない人へ対応方法」にて後述します。

2.ご逝去・ご安置

病院や介護施設などでご逝去されたら、退院や退所の準備を行うことになります。退院や退所の準備を行うとともに、葬儀業者に亡くなった旨を伝えておきましょう。病院や介護施設と連携している葬儀業者もありますが、必ずしもその業者を選ぶ必要はありません。

ご逝去されたあとは、故人を引き取ってご安置先に移動します。つつがなく進めるために、ご安置する場所を事前に決めておくとよいでしょう。ご安置場所は、自宅や葬儀施設、火葬場などが挙げられます。 故人がご安置場所で数日間過ごすことを考慮して、24時間ご安置できる場所であるか、面会に対応できる場所であるか、などのポイントに着目するとよいでしょう。

3.打ち合わせ

故人を引き取ってご安置場所まで移動したら、家族葬の内容について打ち合わせを行います。家族葬の打ち合わせでは、葬儀を行う会場や火葬場、霊柩車の空き状況を確認して日程を決めます。 しかし、希望日とすべての都合の合う日が合致するとは限りません。危篤を告げられた時点で、忌引休暇をもらう可能性がある旨をあらかじめ職場に伝えておくことがおすすめです。

4.お通夜

打ち合わせで家族葬の内容や日程が決まったら、お通夜を行うための準備を進めます。参列者にお通夜を行う日時と場所を伝えますが、訃報連絡のマナーに関してわからないことがあれば、葬儀業者に相談しておくのもよいでしょう。 また、火葬場によっては、棺に納められる副葬品が異なります。納棺できない副葬品もあるため、火葬までスムーズに進められるように、指定の火葬場でのマナーや決まりごとも確認しておきましょう。

5.葬儀・告別式

お通夜が終了したあとは、葬儀や告別式を行います。最後に故人と一緒にいられる大切な場なため、心に余裕を持ってしめやかな時間となるよう、葬儀や告別式の当日の流れを把握しておきましょう。 葬儀や告別式の流れとしては、弔辞や弔電の読み上げ、最後のお別れと喪主挨拶、出棺となっています。家族葬の場合は、一般葬よりも自由がききやすいため、流れの一部を割愛するケースがあります。

6.火葬式・収骨

葬儀や告別式で故人とお別れをしたら、火葬場に向かいましょう。故人の火葬が終了するまで待機し、火葬が終了したら骨壷に遺骨を納める収骨を行います。収骨は、故人と近しい遺族から順番に行っていきます。

家族葬が選ばれる理由

近年、家族葬は全国的に注目されています。ここでは、家族葬が選ばれる理由を5つご紹介します。

故人とゆっくりお別れできるため

家族葬は、一般葬よりも参列者が少なく規模が小さいため、焼香の時間を短く抑えられます。最後に故人と過ごす大切な時間を十分に確保できるため、喪主もゆっくりとお別れできる点が大きなメリットです。

とくに葬儀当日は、参列者の対応で慌ただしくなる傾向にあります。葬儀が終わるまで対応に追われると、故人とお別れする時間をなかなか落ち着いて過ごせず、満足にお別れの時間を過ごせなかったなど思い残したまま火葬・収骨に進んでしまう可能性があります。

家族葬であれば参列者が少ない分、対応に追われるという事態を避けられるため、心に余裕を持って葬儀を進められるでしょう。葬儀のなかで最も大切なことは、故人とのお別れなので、ゆっくり時間に余裕を持ってお別れしたい場合は、家族葬がおすすめです。

自由な葬儀にできるため

家族葬は、家族や親族のみで行われることが多く、決まった形式にとらわれずに自由な葬儀にしやすい点がメリットです。参列者全員が故人のことをよく知る方だからこそ、故人の生前の趣味嗜好を反映させた葬儀にすることもできます。 たとえば、故人の生前の家族写真などを時系列で展示したり、会場全体を故人が好きだった花でいっぱいにしたりするとよいでしょう。故人の愛した曲などを流すケースもあります。

葬儀業者によっては、故人が好物だった食べものを持ち寄ることもできます。どのような葬儀にしたいか、葬儀業者へ希望を伝えてみましょう。

葬儀の費用を抑えられるため

家族葬は、一般葬よりも小規模で行うため、参列者への返礼品や振る舞いで提供する料理、飲みもの代などの各種費用を抑えられます。 参列者が少ない分、焼香や葬儀自体の時間も短くなるので、葬儀にかかる費用も抑えられるでしょう。予算に余裕がある場合は、料理や飲みもの代などのおもてなしにかかる費用に回せます。

ただし、家族葬では香典をいただかない場合もあるので、葬儀の費用を抑えられる代わりに香典が少なくなります。香典は葬儀費用を補填するためのものですが、香典とのバランス次第では、遺族の負担額が多くなってしまうおそれがあるでしょう。

参列者への対応が軽減されるため

家族葬は、参列者の人数が少ないだけではなく、故人と親しかった方ばかりで遺族との関係性も深い方が多い傾向にあります。そのため、参列者への気遣いや丁寧な挨拶などの対応が軽減されます。 遺族と近しい関係性のある方であれば、大切なご家族を失った痛みをより共有できるでしょう。故人の思い出話にも花が咲くと考えられるので、堅苦しい雰囲気よりも暖かく故人を見送れる雰囲気になります。

体力的な負担が少ないため

家族葬は一般葬よりも規模が小さいので、葬儀の時間を抑えられ、葬儀に参加する方々の体力的な負担を軽減できる点がメリットです。とくに故人が高齢者の場合は、高齢の参列者が多くなる可能性があるので、参列者の年齢層を考慮するポイントでもあります。

また、故人と深い関わりのある方々が集まるので、参列者同士でも顔見知りであるケースもあります。参列者にとっても気疲れしにくく、体力的な負担軽減につながる可能性があるでしょう。

家族葬の注意点

家族葬を選ぶメリットはさまざまありますが、注意点もいくつかあるので把握しておくとよいでしょう。ここでは、家族葬の注意点を3つご紹介します。

反対される可能性がある

家族葬は認知度が高まったものの、代々行われてきた一般葬の形式を望む親族もいるでしょう。そのため、家族葬のメリットが大きくても、そのメリットよりも一般葬を望む気持ちが強く、家族葬を反対される可能性があります。

一般葬を望む親族の思いとしては「最後はたくさんの方々で送り出したい」「最後の親孝行としてできるだけ規模を大きくすべき」などという意見があるでしょう。気持ちよく故人を送り出すためにも、反対意見を持っている親族と十分に話し合い、参列者全員が納得したうえで進める必要があります。

呼ばない人への配慮が必要となる

家族葬は参列できる方の範囲が限られているので、故人と親しかった方でも血のつながりの関係で呼ばれない方もいます。呼ばない方は、なぜ呼ばれなかったのか不満を抱く可能性があるため、十分に配慮が必要です。 葬儀に呼ばない方との関係性を保つには、家族葬の形式を取るために参列をお断りする旨を丁寧に伝えておくとよいでしょう。後日、仏壇に挨拶に来てもらうなど、家族葬に参加する以外の方法で対応してもらうのもポイントです。

人数によって費用が変わる

家族葬に限らず、葬儀は参列者の人数が多ければ多いほど、費用が高くなります。返礼品の費用、料理や飲みものなどのおもてなしをするための費用など、参列者の人数に応じて決まります。 また、家族葬は親族や親しかった方で行う葬儀なので、親しい関係性だからこそ香典をいただかないケースがあるでしょう。その代わり、返礼品を用意しない場合でも、料理や飲みもの代などの費用がかかり、香典での補填ができない可能性があります。

そのため、家族葬でもいただく香典の量によっては、かえって一般葬よりも費用が高くなる場合があります。香典をいただくか、どれくらいの人数を呼ぶか、予算に合わせて決めることがポイントです。

家族葬に呼ぶ人と呼ばない人へ対応方法

家族葬は、基本的に親族などの身内の方のみが参列する葬儀なので、故人と関係のある方でも呼ばない方もいます。トラブルなく家族葬を行うためには、呼ばない方へも適切な対応を行うことが大切です。ここでは、家族葬に呼ぶ方と呼ばない方への対応方法をご紹介します。

呼ぶ人への対応

家族葬に参列者として呼ぶ方に対しては、参加できるかの都合もあるので、葬儀の日時や場所が決まり次第速やかに連絡しましょう。

また、家族葬を行うことを、知り合いから知り合いへと広まった結果、呼ばない方にまで伝わってしまうケースがあります。そのため、葬儀の日時や場所を伝えると同時に、葬儀は身内のみで行う旨を伝えておくことが大切です。葬儀の情報をほかの方へ伝えないようにお願いするとよいでしょう。

家族葬に呼ぶことが決まっている方へは、危篤を告げられた時点で連絡しておくことがポイントです。両親や子ども、兄弟姉妹など、三親等までの親族には早めに連絡しておくことで、疎遠になっている親族がいつでも駆けつけられる体制にしておけます。 遠方から親族が葬儀に参加する場合は、宿泊場所を確保しておくことが必要です。故人や遺族との関係が深い方には、世話役として葬儀の準備を手伝ってもらうこともおすすめです。

また、家族葬では返礼品を渡すことを省略するケースがあります。参列者の関係性や顔ぶれなどを見て、返礼品を用意しないと判断した場合には、あらかじめ参列者に香典をいただかないという旨を伝えておくとよいでしょう。

呼ばない人への対応

家族葬に呼ばない方に対しては、トラブルを避けるために丁寧で適切な対応を行う必要があります。葬儀の日程や場所が決まっても、呼ばない方にはその時点で連絡せずに、葬儀が終了してから連絡するのがマナーです。

葬儀を行う前に連絡すると「なぜ参列者として呼んでくれないのか」といった不満を持つ方や「断られたものの参列したほうがよいのでは」と悩む方がいらっしゃることもあります。呼んでいない方が急遽参列することになると、返礼品が足りなかったり、葬儀の時間が長引いたりしてしまう可能性があるでしょう。

葬儀に呼ばない方でも、ご逝去されたことをいち早く連絡したい場合は、身内のみで家族葬を行うため参列を控えてもらいたい旨と、葬儀に呼ばないことへの謝罪をしっかり伝えておきましょう。相手が納得するように説明すれば、誤解を生まずに円満な関係性が続けられます。

また、葬儀後に呼ばない方にお知らせする場合、終了後1週間〜2週間を目安に死亡通知を送るとよいでしょう。通常は、はがきに定型文を印刷して送るのが一般的ですが、家族葬の場合は葬儀と告別式に代わるものなので、丁寧に作成することがポイントです。

定型文をそのまま使うのではなく、故人との思い出や臨終時の様子などを簡単に紹介してもよいでしょう。故人と親しかった方にとっては、より人間味が感じられ、はがきをきっかけに故人との思い出が蘇ります。 死亡通知を送付したあとに、お悔やみ状などをいただいた場合は、お礼状を出すのがマナーです。できるだけ早くお礼状を送り、香典を辞退するのが一般的です。

家族葬に関するQ&A

家族葬がどのようなものか理解したところで、さまざまな疑問を抱いている方がいるのではないでしょうか。納得できる家族葬を行うためにも、疑問を解消しておくことが大切です。ここでは、家族葬に関するよくある質問を2つご紹介します。

家族葬に向いているケースは?

家族葬は、親族や身内のみでゆっくりとお見送りしたい、参列者の人数を抑えて小規模で葬儀を行いたい、費用面を考慮しながら悔いのない葬儀にしたい、などという場合に向いています。まずは、どのような葬儀を行いたいのか希望をリスト化するとよいでしょう。

家族葬は、自由に内容を決められる葬儀としても知られています。そのため、故人の生前の趣味や希望を葬儀に反映させたい場合や、焼香の時間を抑えて故人とお別れする時間を多く設けたい場合にもおすすめです。

ただし、故人の生前の思いがあったのにも関わらず、親族のなかには一般葬を希望する方が現れることもあるでしょう。家族葬に向いているケースでも、トラブルを未然に防ぐためにも、参列者全員に家族葬の内容や故人の希望などを伝えて納得してもらうことが大切です。

家族葬の費用はいくら?

家族葬の費用は、参列者の人数、葬儀を行う会場の場所やスペース、宗教形式などによって変動します。同じ家族葬でも、内容が異なることで費用を抑えられたり、高くなったりするケースがあります。 基本的な家族葬の費用内訳は、祭壇や人件費などの基本葬儀料金、棺や生花などの付帯費用、車両費用、式場の使用料、葬祭用品の費用、火葬場の費用などがあります。これらの費用は、規模を最小限に抑えてもかかるものと把握しておくとよいでしょう。

葬儀が終了したあとに料理や飲みものなどで振る舞う場合は、飲食費用や返礼品の費用などがかかります。そのほか、戒名料や読経料、御膳料、交通費または車両費用など、寺院に支払う費用もあります。 ただし、自宅で葬儀を行う場合は式場の使用料、会食を設けない場合は飲食費用などを抑えられるでしょう。返礼品を用意しないケースもありますが、その場合は香典をいただかないのがマナーとなっています。

まとめ

家族葬は身内のみで行う小規模の葬儀です。葬儀費用や焼香の時間を短く抑えて、故人とお別れする時間をゆっくり設けられるメリットがあります。遺族に費用面で負担をかけたくないという思いから、故人が生前に希望する場合もあるでしょう。 ただし、これまで一般葬を行ってきた家系などでは、親族に家族葬を反対される可能性があります。葬儀に呼ばない方への配慮も必要なため、あらかじめ適切なマナーを把握しておくことをおすすめします。

株式会社メモリードは、家族葬を含め、さまざまな形式の葬儀サポートやサービス提供を行っています。全国210か所に展開している葬儀施設は、ご遺族様に元気を与える場所であれるよう快適さにこだわり、ホテルやカフェのような明るさと開放感を実現しました。

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