お通夜にかかる時間はどのくらいかご存知でしょうか？知人が亡くなったという連絡は、ある日突然送られてきます。そのため、お通夜に参加するための時間調整が難しいケースも少なくありません。
そこで今回は、一般的なお通夜の所要時間はどのくらいなのかについてお伝えします。具体的な流れや遅れてしまう場合の対応方法、マナーについてもお伝えしますのでぜひ、参考にしてください。
お通夜の所要時間
お通夜とは、故人の家族や親族が集まり、別れを偲ぶための儀式で、亡くなった日の翌日に行い、その翌日にお葬式を行うのが一般的です。
お通夜には「半通夜」と「全通夜（本通夜）」があり、どちらを行うかによって所要時間も異なります。ここではそれぞれの概要と所要時間について見てみましょう。
なお、半通夜と全通夜のほか、亡くなった当日に行う仮通夜もありますが、家族、親族のみで行うためここでは割愛します。
半通夜の場合
半通夜とは、短時間で簡易的に行うお通夜で、所要時間は2〜3時間程度です。地域によって異なるものの、現在ではお通夜といえば、半通夜を指します。
そもそもお通夜とは文字通り、夜を通して行う儀式です。しかし、とくに都市部ではお通夜を自宅で行うよりも葬儀場で行うことが増えています。そのため、宿泊設備がないことや防火上危険などの理由から、夜を通して行うことが難しくなりました。
そこで、仏教では僧侶による読経、神道では神職による祭詞が簡易的に行われ、参列者が焼香や拝礼をした後に振る舞いを行うだけとなったのが、半通夜です。
全通夜の場合
全通夜とは、夜を通して行う儀式で、本通夜と呼ばれる場合もあります。元々、お通夜とは、お釈迦様が亡くなった際に、弟子たちが集まって夜を通してお釈迦様の教えについて語り合ったのが起源とされています。
具体的には、振る舞いまでは半通夜と同じ流れで行い、その後、朝になるまで「夜伽」を行うのが全通夜です。
夜伽とは、夜から朝まで故人に付き添い、ろうそくや線香の火が絶えないように見守ることを指します。お釈迦様の弟子たちが教えについて夜通し語り合ったように、親族が故人の思い出を語り合います。
現在でも、お通夜からお葬式までをすべて自宅で行う場合は全通夜も可能ですが、都市部を中心に多くのお通夜が葬儀場で行われるようになりました。そのため前述にもあるように、宿泊設備がないこと、夜通しろうそくや線香の火をつけておけないことなどを理由に、半通夜が主流となっています。
こちらの記事では、お通夜の日程について解説しています。友引を避けた方がいい理由や注意点についても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
お通夜の開始時間
お通夜の開始時間は、半通夜・全通夜ともに17時から19時の間で始まるのが一般的です。開始時間に明確な決まりはないため、葬儀場の担当者と相談し、参列者の都合を考慮したうえで決めると良いでしょう。
参列者の受付は、開始時間の30分から1時間前に行われます。お通夜自体は1時間から1時間半程度で、その後の振る舞いが約1時間です。したがって、半通夜の場合は全体で1〜3時間程度で終わります。
お通夜の一般的な流れ
仏教式の半通夜の場合、受付から始まり、読経、喪主の挨拶、振る舞いの順で進行します。ここでは、参列者としてお通夜に行く際のそれぞれの流れについて詳しく見ていきましょう。
受付～着席
受付は、お通夜開始の30分から1時間前に始まります。喪主や故人の家族は準備で忙しいため、故人の友人や会社の方が受付を担当するのが一般的です。
参列者は、受付で簡単なお悔やみの言葉を伝えた後、香典を渡し、芳名帳に名前や住所、電話番号などを記入します。葬儀場でお通夜を行う場合、通常は待合室が用意されているため、受付を済ませたら待合室に移動し、お通夜が始まるのを待ちましょう。
その後、係の方の誘導に従って会場に入り、着席してお通夜が始まります。なお、宗教者が入場した際に、立ち上がるか座ったままでいるかは、司会の指示に従いましょう。
読経～喪主の挨拶
お通夜は、司会の開始宣言を受けて読経から始まります。基本的には定刻に始まりますが、参列者の状況によっては多少遅れるかもしれません。
読経の時間は宗派によって異なりますが、一般的に30分から1時間程度です。読経が始まってから10分程度経過した後、司会者の指示で参列者は焼香を行います。
焼香の順番は、まず喪主が行い、次に遺族、親族、友人、知人の順です。ただし、お通夜に遅れて来た方は、最初から参列した方に続いて順不同で行います。
読経、焼香が終わると、僧侶は5〜10分程度の法話を行い、会場から退場します。この際の見送り方も入場時と同様、司会の指示に従ってください。
僧侶が退場した後、喪主から参列者への感謝や故人に対する思い、振る舞いのご案内などがあり、お通夜は終了します。振る舞いの場への移動は、司会者からの指示に従います。
通夜振る舞い
お通夜が一通り終わった後、最後に行うのが喪主や遺族からの振る舞いです。振る舞いは通常1時間程度で終わります。葬儀場では待合室で行うケースが多いですが、振る舞い用に場所が設けられている場合もあります。
振る舞いでは、オードブルや軽食、ビールやジュースといった簡単なものが提供され、飲食しながら、遺族と参列者が故人の思い出を語り合います。
葬儀場に振る舞いをする場所がなければ、別の場所に移動して行う、もしくはお土産だけを渡して終了となります。
振る舞いは必ず行わなければならないものではありません。参列者側も必ず参加しなくてはならないわけではなく、どうしても時間がなければ挨拶だけで帰ることも可能です。
こちらの記事では、お通夜の流れについて詳しく解説しています。参列者として知っておくべきマナーと注意点も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
お通夜で気を付けたい基本マナー
お通夜に参列する場合、いくつか気を付けなければならないマナーがあります。ここでは、とくに服装と持ち物のマナーについて見てみましょう。
服装のマナー
お通夜はお葬式ほどのフォーマルさは求められないものの、喪服、黒・濃紺のスーツやワンピースが基本です。シンプルかつ落ち着いたデザインのものであれば、問題はないでしょう。また、学生の場合は、学生服で構いません。
持ち物のマナー
持ち物は、男女共通で数珠と香典があります。数珠は焼香の際に使用するため、必ず持参するようにしましょう。宗派により数珠の種類が異なる場合もありますが、ご自身が持っているもので問題ありません。
香典は、友人なら5,000〜10,000円、隣近所の方なら3,000〜5,000円、会社関係なら5,000〜10,000円、親戚なら10,000〜30,000円、兄弟姉妹なら10,000〜50,000円が相場です。香典袋に入れ、黒や紺、紫などのふくさに包んで持参しましょう。
なお、香典は割りきれる数字にすると故人との縁を切るといった意味になるため、避けた方が良いでしょう。また、4や9といった数字も縁起が悪いとされるため、こちらも避けるのが望ましいです。
女性の場合は、数珠、香典のほか、バッグやアクセサリーにも気を配る必要があります。バッグは黒や紺など、服装の色に合わせます。アクセサリーは身に着けないのが一般的ですが、つける場合には、真珠を使ったシンプルなものにしましょう。
お通夜に遅れる場合の対応方法とマナー
近年、お通夜は亡くなった翌日に行われるのが一般化しています。そのため、当日になって急に訃報を知り、お通夜に駆けつけることはほとんどありません。
ただ、遠方から参列する場合や、当日に急な用事が入り、開始時間に間に合わないことも考えられます。ここでは、お通夜に遅れる場合の対応方法やマナーについて見ていきましょう。
1時間以内の遅刻の場合
お通夜の開始時間には間に合わない場合でも、1時間以内に到着できるのであれば、そのまま駆けつけても喪主や遺族に迷惑がかかることもなく、マナー違反でもありません。焼香が終わる前に間に合うのであれば、遅れてでも参列するようにしましょう。
ただし、遠方から向かうため、どうしても開始までに間に合わないことが事前にわかっている場合は、早めに連絡しておくと良いでしょう。
また、直前になってどうしても間に合わないことがわかった場合、喪主や遺族は忙しく連絡が取れないこともあるため、そのまま連絡せずに向かいます。到着後、遅れた理由を話さなくても問題ありません。静かに参列し、焼香を行いましょう。
2時間以上遅れる場合
2時間以上遅れる場合、すでにお通夜が終わっている可能性が高いため、故人との関係性に応じた対応が求められます。
知り合いや会社の上司・部下などの関係性であれば、あらかじめ連絡してから参列しましょう。ただし、勝手に会場へは入らず、葬儀場のスタッフに確認し、指示に従って入るようにしてください。
お通夜が終わった後に到着しても、喪主や遺族に余計な手間をかけてしまい、迷惑になる可能性があります。
そのため、お通夜に間に合わない場合は翌日のお葬式に最初から参列する方が、喪主や遺族に負担をかけず、マナー違反にもなりません。
故人が親族の場合は、2時間以上遅れる場合でもお通夜当日に参列することが重要です。故人への挨拶はもちろん、翌日のお葬式の準備を手伝うこともできるため、事前に連絡をしたうえで駆けつけるようにしましょう。
遅れる際の連絡
お通夜に遅れる場合は電話で連絡するのが適切です。人によっては、メールやLINEなどで連絡してもお通夜の準備で忙しく、確認してもらえない可能性があります。
また、電話で遅れる理由を細かく説明する必要はありません。仕事や電車が遅れているなど簡潔に伝え、どれくらい遅れるかを伝えるだけで十分です。
もし喪主や遺族が電話に出ない場合は、葬儀場に連絡して、何時まで弔問が可能かを確認します。間に合うようであれば、焦らず落ち着いて駆けつけましょう。
通夜振る舞いに間に合った場合
思った以上に会場への到着が遅れ、到着時にはお通夜が終わって振る舞いが始まっている場合、そのまま振る舞いに参加しても問題ありません。
ただし、必ず葬儀場の担当者や遺族に声をかけ、遅れたことのお詫びと弔意を伝えましょう。そのうえで、遺族の方から振る舞いへの参加を促されたら参加します。
振る舞いは、遅刻してもしなくても親族以外は長居せず、20〜30分程度で退出するのが基本です。大声で話したり、または飲食し過ぎたりしないように注意し、適切なタイミングで退出しましょう。
遅刻してしまった場合の香典の渡し方
お通夜に遅刻してしまった場合、気をつけるべき点はほかにもあります。それは、香典の渡し方です。大幅に遅れなければ、まだ受付がいるので、担当者に渡せば問題ありません。しかし、受付が終わった後に到着した場合、お通夜では香典を渡さないのがマナーです。
受付が終わると、香典が一度まとめて保管されるため、後から追加で渡すとトラブルになるリスクがあります。そのため、受付終了後に到着した場合は、香典を渡さず、翌日のお葬式で渡しましょう。
お通夜には参列できるが、お葬式には予定があり参列できない場合は、後日、喪主宅に出向いて香典を届けるか、不祝儀袋を現金書留で郵送する方法があります。
遅刻が予想される場合は参列を避けるべきか？
基本的に、お通夜は祝いごとのようにあらかじめ日程が決まっているわけではなく、当日や前日に突然知らせが来ることが多いため、状況によっては開始時間に間に合わない場合もあります。
そのため、お通夜に遅刻すること自体はマナー違反ではありません。事前に遅れることを連絡し、できるだけ早く駆けつけるようにしましょう。
ただし、2時間以上の遅刻や、到着が22時過ぎになってしまう場合は、相手に迷惑をかける可能性があるため、参列を避けるべきです。その場合はお通夜への参列は諦め、翌日のお葬式に参列するようにしましょう。
また、ご自身が喪主や遺族になった際は、参列者が遅刻した場合の対応方法について、事前に確認しておくのがおすすめです。メモリードではお通夜やお葬式に関する不安や疑問に適切にお答えしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
お通夜は、大きく分けて「全通夜」と「半通夜」の2種類があります。全通夜は夜通し行われるのに対し、半通夜は儀式と振る舞いのみで行われます。近年では、地域や状況によるものの、お通夜は葬儀場で行われるケースが増え、振る舞い後に一旦帰宅する半通夜が一般的です。
半通夜は、通常17時〜19時に開始され、読経と焼香で1時間〜1時間30分程度、その後に1〜2時間の振る舞いがあります。そのため、1時間程度の遅刻であれば事前に連絡して駆けつけても問題はありません。
ただし、2時間以上遅れる場合、喪主や遺族は翌日のお葬式の準備で忙しいため、親族以外は参列をせず、翌日のお葬式に参列する方が良いでしょう。
故人を思いつつ、喪主や遺族に迷惑がかからないよう、お通夜のマナーをしっかりと把握して参加することが大切です。
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