数珠は何のために持つ?
数珠は、私たちにとって一番身近な仏具ではないでしょうか。
仏様やご先祖様を礼拝・供養する時に使用しますが、なぜ葬儀の際に数珠を用いることになったのでしょうか?
元々はお経や念仏を唱える際に、ひと声ごとに一つずつ珠を動かして、何回唱えたかを数える道具として使用されていました。「珠(たま)を数える」ということから数珠という名前がつきました。
また、念珠とも呼ばれていますが、これは仏様に「念」ずる際に用いる「珠」であることからそのように呼ばれています。
字を入れ替えて、「珠数」と書くこともあり、これは「すず」と読みます。
常にこれを持って仏様を念じていれば、煩悩が消滅し、功徳を得られるといわれています。
数珠は古来インドのバラモン僧が使っていたものですが、これを仏教の開祖であるお釈迦様がご覧になり、仏教でも使われるようになりました。
昔インド国内で疫病が流行したり治安が悪くなっていることをお釈迦様に相談したところ、お釈迦様は
「ムクロジ(無患子)の木の実を108個繋いで数珠とし、これを肌身離さず持ち念仏を唱えなさい。念仏を唱えるごとに珠を1つずつ珠を動かして数を数え、20万回念仏を唱えれば人々の迷いや苦しみがなくなり、100万回念仏を唱えれば人々の煩悩を断ち切ることができるでしょう」と説かれ、念珠が仏事で使われ始めることとなりました。
数珠は仏教だけでなく、キリスト教やイスラム教でも祈りの回数を数えるために使うことがあります。
仏教では108、
キリスト教では50、
イスラム教では33となっています。
数珠の種類
数珠の珠の数は、基本的に108となっており、これは人の煩悩の数からきていますが、
きちんと珠の数が108ある数珠を「本式数珠」と呼びます。
本式数珠は「念仏を唱えた数を数える」ためにつくられた正式な数珠です。
輪を二重にして使うので、「本連数珠」「二連数珠」などと呼ばれることもあります。
「本式数珠」を簡略化した数珠は「略式数珠」といい、「片手数珠」とも呼ばれています。
かつては本式数珠の玉の数である108の2分の1の54個・3分の1の36個などと決まっていましたが、
現代では実用性が重視され、持ちやすいように半分の54、さらにその半分の26、などいろいろな形式のものがあります。
略式の念珠は、お釈迦様が愛用されていた菩提樹の数珠を
6人の高弟に分け与えたのがはじまりといわれています。
数珠の取り扱い
仏具なので大切に扱いましょう。
持ち運ぶ時には、数珠袋(念珠袋)など、専用の袋に入れ、置く時は、かばんや念珠袋の上、ハンカチの上に置きましょう。
畳の上などには直に置いてはいけません。
一般に仏事、法要の際に、合唱した手にかけます。
まとめ
数珠を持つことは知っていても、その意味まで知っている方は少ないかもしれません。
ぜひ選び方や取り扱い方も参考になさってください。