グリーフケアとは
ご家族や近しい人など大切な人を亡くされた方が深い悲しみの最中にいるとき、悲しみや喪失感に押し潰されそうな心と、死別を受け入れなければならないという心の中で感情が揺れ動きます。
それを「グリーフ」と呼び、このような状態にある人に寄り添い、時には必要な支援をしながら、悲しみから立ち直るサポートすることを「グリーフケア」といいます。
グリーフは主に3種類の症状に分けられ、これらが単独で発症する人もいれば、人によってはいくつかの症状が重なることもあります。
また、症状が一度落ち着いたように見えても、何かのきっかけで数年後に再発することもあり、グリーフの問題の根深いところだと言われています。
グリーフの種類
心・精神的な症状
死別により悲しみや寂しさ、やるせなさ、孤独感、怒り、空虚感、感情の麻痺、無力感、うつ症状などの精神的な症状。
恐怖にも似た不安感を感じることもあります。
亡くなった人に対し、自責の念に駆られてしまったり、思慕の情(恋しく思うこと)に襲われることも少なくないようです。
身体的な症状
睡眠障害、めまい、動悸、食欲の低下、疲労感、血圧の上昇、頭痛、肩こり、胃腸不調、便秘、下痢、体重の減少、など
身体の違和感や不調の症状。
白髪の急増を感じる時にも、身体的反応に当てはまります。
日常生活や行動の変化
ぼんやりする、死別をきっかけのうつ症状により引きこもってしまう、涙があふれてくる、落ち込んだ気持ちに蓋をするように動き回る、落ち着きがなくなるなどの症状。
死別以前にはしなかったような行動をしてしまう、今までには考えつかないような行動をしてしまう時にはこちらの症状が当てはなります。
グリーフケアの方法
グリーフは「ショック期」「喪失期」「閉じこもり期」「再生期」のプロセスをたどり、回復していくと言われています。
前述した通り、落ち着いていた感情が突如再発したり、回復のプロセスや時間の長短は人それぞれですが、それを踏まえ、周囲は徐々に元の状態へ戻れるようにサポートします。
グリーフケアは、身内や身近な人でも行うことが出来ますが、専門家の方がいたり、辛い思いをしている方同士の体験会などもあります。
受診したり、それらに参加してみることも一つの方法です。
グリーフケア外来を受診する
全ての病院にあるわけではありませんが、グリーフケア外来を受けている病院もあります。
心療内科や精神科で対応できる場合もありますが、死別の心のケアは少し特殊ですので、
専門外来に行ってみるのもいいかもしれません。
グリーフケア体験会
グリーフを抱えた人々が集まり分かち合う場を設けている自助グループやサポートグループが、全国各地にあります。
遺族同士の交流会や、専門家の後援会が行われていることもあります。
グリーフケアアドバイザー
「グリーフケアアドバイザー」という資格を持って活動していらっしゃる方がいます。
外来と同じように専門性の高い知識で、そっと寄り添ったケアを受けることが出来ます。
また、グリーフケアについての本を読むことも有効かもしれません。
ご自身に合った方法のものを体験してみることが大切です。
まとめ
深い悲しみから立ち直るには、数多くのプロセスと長い時間を必要とします。
グリーフケアは大切な人を失い、深い悲しみの中にいる人をサポートすること。ケアを行うときのポイントは、相手に寄り添うことです。
これらは特別な資格がなくても行うことが出来ます。
ケアが必要な人が悲しみを肯定し、感情を吐き出せるように寄り添い、
時間がかかったとしても、大切な人の死を受け入れ乗り越えられるようにサポートすることが重要です。