故人様を棺(ひつぎ)に納める儀式 " 納棺 " は、通夜の前に行われる30分～60分程の儀式で、ご遺体を清め、旅立ちに相応しい装いを施した後に、棺に納めます。
故人様の現世での穢れや苦しみを洗い清め、来世での功徳を願うという意味があります。
納棺後の通夜や葬儀とは異なり、近親者だけで行われる儀式なので、故人様の 「 死 」 を受け止める時間としても重要な意味があります。
また、ご家族が故人に直接触れることのできる最後の場面であり、故人様と向き合う大切なひと時でもあります。
末期の水に始まり、湯灌、死化粧、死装束の順で行われ、最後にゆかりの品物と想いを込めて棺（ひつぎ）に納めます。
特に喪主を務めるご家族は、葬儀の準備などでやることが多く、気も張っていることと思います。
そのような状況でも、納棺のひと時には、お別れの時間を持つことができるという意味で、グリーフケアの一つとしても有効です。
最近では葬儀社スタッフ、納棺専門業者等のスタッフが納棺の儀式を仕切るのが一般的ですが、古来よりご遺族の手で行われてきたました。
故人様のために、やってあげたいことがあれば、スタッフに申し出て、参加してみてるのも良いかと思います。
故人を棺におさめる儀式、納棺(のうかん)
納棺のタイミング
納棺の儀は、喪主の家族全員で参加するのが一般的です。納棺を行なう時期に決まりはありませんが、一般的に、親族一同が集まり易い" 通夜の前日 " または " 通夜の直前 "タイミングで行われる場合が多いようです。
通夜を行わない場合は、葬儀の前日や直前に行う場合もあります。
お亡くなりになってからのスケジュール
- お亡くなり
- 安置場所の確認と搬送
- 安置
- 葬儀の打ち合わせ（葬儀社や菩提寺の僧侶などと）
- 納棺の儀
- 通夜や葬儀
納棺の儀、内容
- 着座し、合掌します。
- ご遺体を拭き清める清拭（せいしき）や、ご遺体を入浴させ洗浄する入浴湯灌（ゆかん）を行う場合もあります。
（看護師による簡易的な清拭は「エンジェル・サービス」と言われています。） - ご遺体に衣裳を着付ける。
故人様が男性の場合は、髭を剃り、女性の場合は化粧を施す場合もあります。
※一般的には仏衣を着付けますが、メモリードでは真綿で紋服や花嫁衣裳のように仕上げる『真綿の儀』を行っております。 - 旅支度をします。
- ご遺体を棺に納めます。
- 副葬品を入れる
- 最後に棺（ひつぎ）に蓋をし、遺族、親族、葬儀スタッフ等全員で合掌します。
キリスト教の場合の、一般的な納棺までの流れ
危篤から納棺までの流れ ～カトリックの場合～
- 危篤状態に近い段階で司祭を呼んでお祈りをします。
- 枕元に白い布で裁断を作り十字架、聖油ツボ、聖体、水、タオル、しょく台などを枕元に用意
- 危篤状態の人の額に手を置いてお祈りします。
→ この儀式を行うことで危篤状態の人は罪を許され恵みが与えられると言われています。 - その後、病院で亡くなったときはご遺体を自宅に搬送して安置。
- 司祭を中心に遺族や近親者が囲んで祈りと聖書朗読を行います。
- 聖歌を斉唱して聖水（司祭が祈とうして清めた水）を振り掛け、ご遺体を清めます。
- ご遺体を納棺して花で飾ります。
危篤から納棺までの流れ ～プロテスタントの場合～
- 危篤状態に近い段階で牧師を呼んでお祈りをします。
- 牧師は信者の唇にブドウ酒を与えて神の元への昇天と安息を祈ります。
- 病床の枕飾りは、カトリックに比べると簡素でしょく台も1本だけです。
布の色も黒色。 - その後、病院で亡くなったときはご遺体を自宅に搬送して安置。
- 納棺式では、牧師を中心に遺族や親族が聖書朗読を行って遺体を納棺します。
- 納棺するときには、白い花とガウンを掛けます。また、くぎ打ちはせずに黒い布でおおいます。その後、白い花で作った十字架を飾ります。
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