死後に施すエンゼルケア、どんなことをするの?

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エンゼルケアとは

人が亡くなった後、行う処置のことです。
行う処置のどこまでがエンゼルケアと呼ばれるかという明確な線引きはありませんが、死化粧などもエンゼルケアに含まれます。
例えば生前長く闘病をされていたので、最後は綺麗な姿で見送ってあげたいとお考えになる方は少なくないでしょう。

故人様が少しでも生前のお姿に近い状態で旅立てるように行う、ご遺体の処置全般のことを指します。

なぜエンゼルケアを行うのか

元々、人が亡くなればご遺体を綺麗にする行為自体は古来より行われていました。
エンゼルケアを行うのには、いくつかの理由があります。

◆衛生面、感染症を予防するため
ご遺体は時間が経つと腐敗が進んでしまい、亡くなった後に処置をしなければ血液や体液が流れ出てしまい、家族や病院関係者、葬儀社の担当者などに感染のリスクが起こることになります。
そういった感染症を予防するために、亡くなった後すぐご遺体の処置を行います。
病院で亡くなった場合には、医師や看護師、専門の業者が行ってくださいます。介護施設で亡くなった場合には介護施設の方や、ご自宅で亡くなった場合には葬儀社や専門業者に依頼すればケアが可能ですのでご安心ください。

◆ご遺族様の心のケア、故人様の尊厳を守るため
故人様が長く闘病していた場合、痩せてしまったり生前と変わられたお姿を見たご遺族様が深い悲しみを受ける場合があります。
生前からは想像できないようなお姿になってしまっている場合、ご家族は故人様の死を受け入れるのが難しいこともあるのです。
エンゼルケアを行い、少しでも生前に近いお姿に整えることで、「最後のケアをしっかりでき、綺麗な姿で見送ることができた」という納得感を持つことができます。
そのプロセスを経て、家族の死を少しずつ受け入れて立ち直るきっかけにもなるとも言われており、また最期のお姿を綺麗に整えることが故人様の尊厳を守ることでもあります。

エンゼルケアと混同しがちなケア
エンゼルケアと混同しがちですが、実は目的が異なるケアもあります。もし処置をどうするか尋ねられた際には、間違えないように気をつけて判断しましょう。

【エンバーミング】
エンバーミングはしばしばエンゼルケアと混同されることがあります。
全身を綺麗に整えるという目的の面では共通していますが、エンゼルケアが表面的なケアなのに対して、エンバーミングはご遺体の腐敗の防止、殺菌など体内まで処置を行い、ご遺体の長期保存が可能となります。
どうしても都合により亡くなってから葬儀までの日が空いてしまうなどやむを得ない場合にはエンバーミングを行います。

【湯灌(ゆかん)】
全身を清拭するだけではなく、移動式のお風呂で故人様のお身体を洗い清める儀式のことです。
ご遺族様がシャンプーをして差し上げたり、お身体を拭いたりと一緒に処置を行うこともできます。

まとめ

エンゼルケアは、ご遺族様が故人様の死を受け入れ前に進むための、そして故人様の尊厳を守るための大切な処置です。
不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。