人が亡くなった時に通夜や告別式の会場に届けるお花を「供花」(きょうか)果物を「供物」(くもつ)といいます。これらは通夜や葬儀・告別式の際に祭壇の周りに、故人様との関係が深い順に並べられます。
「仏様へ感謝の意味を込めてお供えをする」「祭壇をきれいに飾り、故人様の霊を慰める」という意味があります。供花や供物は故人様のため、香典は喪主のために贈るものと言えます。よほど親しい人以外は、供花・供物は控えて、香典のみお渡しするのが良いでしょう。
供花や供物は葬儀に欠かせないものですが、これらは一体誰がどのタイミングで、どのくらいの値段の物を贈れば良いのでしょうか。
基本
一般的には配偶者、子、兄弟、孫などの親族は供花や供物を出します。
遺族・親族分の供花や供物は、遺族が取りまとめて一括して葬儀社に注文を出します。
未成年の子や兄弟、孫などが複数人いるような場合は「兄弟一同」「孫一同」などのような出し方になることもありますが、基本的には1人ずつ出すことになります。
また、供花や供物を贈る際にもっとも気をつけるべき点は、相手方の宗教・宗派です。宗教によっては、贈ってはいけないものがあるからです。
さらに、喪家側から辞退する場合もあります。
「ご厚志辞退」との連絡があった場合には、供物、供花、香典は辞退されているので控えます。なお、日をあらためて弔問する場合には、お花や香典を持参するのはかまいません。
「供花、供物の儀はご辞退申し上げます」と伝えられた場合、これは香典を受け取らないという意味ではないので、通夜や告別式に参列する時には香典を持参します。
神式の場合
焼香を行わないので、線香は贈りません。
果物やお菓子を贈るのが一般的です。仏式とは異なり、肉や魚、酒を贈っても構いません。
キリスト教式の場合
キリスト教では、もともと供物を贈る慣習がありません。
そのため、贈る際は生花のみにしましょう。ただし、カトリックの場合は、供花を認めていないことが多いので、確認してから贈りましょう。
誰が贈るものか
主に遺族・親族が贈るものですが、故人様と親しかった友人・知人が連盟で贈る場合もあります。他には、葬儀にかけつけることができない人、職場で贈る場合もあります。
贈り方
一般的に、まず供花・供物を贈りたい意思を遺族に伝え、指定された葬儀社などを通して依頼します。
人づてに訃報を聞き、供花・供物を贈りたい場合はまず葬儀社や葬儀会場に連絡をし、確認しましょう。
「善意の押し売り」にならないための注意
自己判断で勝手に花屋等に依頼しないでください。
必ず、遺族や葬儀社に確認を取りましょう。
というのも、外部からの供花、供物の届けは禁止としている葬儀場もあり、喪主を困らせる原因となる場合もあります。また、供花・供物は、宗教宗派や地域によって異なるもの。それをわからずに贈ってしまうと、失礼な行為となってしまったり、祭壇に飾ってもらえない場合もあります。
いつまでに送る?
供花や供物を祭壇に飾る為、祭壇を組み始める時までには届いている必要があります。
通夜の場合・・・当日の午前中までに届くよう手配する。
告別式の場合・・・当日までには届くよう手配する。
供花、供物の相場
供花は1つの場合「一基(いっき)」と数え、2つの場合は「一対(いっつい)」と数えます。
「一基」を贈るのが一般的で、「一基」1万円〜3万円程となっています。
供物も「一基」と数え、「一基」1万円から2万円程となります。