お墓や仏壇に供える仏花。色や本数の選び方や注意点 

仏花(菊)

例えば法事の時やお墓参りに行くときには、仏壇やお墓に手向ける花が欠かせません。仏壇やお墓に備える花は仏花といい、花屋さんやスーパーの一角で購入することができます。売っているものをそのまま購入すれば間違いはありませんが、季節の花を入れたかったり、故人様の好きだった花を必ず入れたかったり、こだわりがある場合にはご自身で選ぶのが1番良いでしょう。

家族や身内の法事や墓参りだけではなく、近所の方や会社の方にご不幸があった場合や法事に参加する際に持参するにも、選び方を知っていれば購入するときに安心ですよね。そこで、仏花を選ぶ際にはどんなふうに選べばいいのかのポイントをご紹介します。

仏花を選ぶときに大切な4つのポイント

仏壇に供える仏花の選び方には、注意する点が4つあります。こちらを間違えてしまうと、失礼に当たることもありますので、ぜひ頭の片隅に覚えておきましょう。

注意すべきポイントは

  • 花の色
  • 花の本数
  • 花の種類
  • 選んではいけない花の種類
  • の4点です。

    花の色

    まず花の色ですが、どんな色を選んでもいいというわけではなく、また色の数も決まっています。四十九日までは白をメインに選びます。入れていい色は「白、黄、紫」の3色です。四十九日を過ぎてからは白をメインにしなくても構いませんが、「白、黄、紫、ピンク、赤」の5色までで選ぶのがよいとされています。メインがピンクのお花でも、紫でも、四十九日を過ぎれば問題ありません。

    花の本数

    次に花の本数については、奇数が望ましいとされています。1本では寂しいので、3本〜で、3本、5本、7本までくらいが一般的です。 なぜ奇数が良いのかという理由については、かつては偶数=陰数、奇数=陽数といわれており、割り切ることが出来ない数字は縁起がよいという考え方によるものです。結婚式のご祝儀なども同じ理由から奇数の割り切れない金額が推奨されています。 仏壇花を飾る時には左右に供えるので、同じ本数の花束を1対で用意して下さい。

    花の種類

    飾るお花は、生花を選びなるべく長持ちする花を選ぶと良いでしょう。 仏花の代表格といえば菊の花。菊は長持ちすること、また白菊の花言葉が「ご冥福をお祈りします」であること、白は穢れがないことを表わすというような理由から選ばれることが多い花です。 また、菊には「邪気を払う力がある」と考えられており、そう言った側面からも葬儀のシーンでよく選ばれるようになりました。

    選んではいけない花の種類

    逆にあまり選ばない方がいい花は、 トゲのある花、毒のある花、香りが強い花と言われています。棘のある花は、棘が殺生を思い起こさせるためにふさわしくないとされています。バラのように香りの強い花も避ける方が無難ですが、昨今は故人様の生前好きだった花がバラであったとしたら、好きだったものをお供えすることは御供養になるということで、選んでも問題ないというケースも多くなってきました。冥福を祈る気持ちは、仏花として供える花で決まるものではありません。ご不安でしたら、葬儀社や花屋に一度相談してみましょう。

    仏壇に仏花を飾る際のマナー

    仏花の選び方がわかったところで、飾り方についてもご説明します。

    仏壇に飾るときには花瓶ではなく仏具(花立)に前述した通り、仏花を飾るときには仏壇の左右に置きますので、花束は同じものを2つ用意します。仏壇に入れる仏具は決まっており、香炉・ロウソク立て・花立とありますが、飾るときは「花立」という仏具を使用します。花は仏様の慈愛を表し、仏花を供えることは故人様を想う気持ちを花で表すという意味があるそうです。

    花は仏壇ではなく、自分たちの方に向けて供える花束を左右の花立に飾ります。その際には、仏壇ではなく自分たちの方に花を向けて飾ります。仏様や故人様に向けて仏壇やお墓に花を飾るのだと考える方がほとんどでしょう。もちろんそれは間違いではありませんが、花は仏様の慈愛を表すと先程記述しましたように、仏様から私たちへの慈愛の心を頂くために、あえてお花の向きを私たちに向けるのだとも言われています。花を見て、亡くなった方を想い心穏やかにするという意味もありますので、仏壇に手を合わせるときにはお花もぜひ愛でてくださいね。